今日の呟き(読書のはなし)

 

 先日読んでいた本の一節に、次のような言葉がありました。

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 むかし人は「かなし」という言葉に幾つもの漢字を添えることで、意味の深みを探った。

 「悲し」、「哀し」はよく知られている。「美し」「愛し」と書いても「かなし」と読んだ。

 悲しみは、単に悲痛や悲嘆の経験であるだけでなく、深い哀れみの始まりとなり、情愛の母胎となる。

 そこで「悲し」は「愛し」という顔を持つ。また、その心情は美しくさえある。

 それゆえ「美(かな)し」という言葉さえ生まれた。

 「かなし」という言葉の歴史は、そうした意味の深まりを伝えてくれている。

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  日本語、ひいては日本人の感性、素敵ですよね。